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第62期十段戦五番勝負第4局
井山が勝ち、最終局へ

2024 年 04 月 16 日掲載

第62期十段戦五番勝負第4局 井山が勝ち、最終局へ

産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「大和ハウス杯 第62期十段戦五番勝負」の第4局が、大阪市北区の日本棋院関西総本部「無量の間」で行われました。このシリーズでは、十段位初防衛を目指す芝野虎丸十段(24)=名人=に対して、6期ぶりの返り咲きを狙う井山裕太王座(34)=碁聖=が挑戦しています。ここまでの対戦成績は芝野十段が2勝、井山王座が1勝で、芝野十段が連覇まであと1勝という緊迫した状況です。

序盤は右上の定石から攻防が始まり、右辺で黒地がまとまり芝野十段が地合で先行する立ち上がりに成功しました。その後、左上の白石に芝野十段が攻撃を仕掛けましたが、井山王座も白68から中央に突破を図って反撃。互いに左辺に弱い石が残る状況で、芝野十段は長考に沈みました。午後0時半になり、45分間の昼食休憩に入りました。

再開後は左上隅で互角の形勢に。芝野十段は中央の白三子を狙って仕掛けましたが、井山王座は白108から110までつながりポイントを挙げました。緩まずに白116から右辺の黒地に手を付けると、白120が黒の薄みを突く妙手。右下隅を奪い返し、勝勢になりました。芝野十段も中央を最大限まとめきったが、右下で失った地が大きく差を縮められなかったようです。

午後5時1分、挑戦者の井山裕太王座(34)=碁聖=が184手までで、芝野虎丸十段(24)=名人=に白番中押し勝ちし、対戦成績を2勝2敗のタイに戻しました。

井山王座は「正しく打てれば手になると思っていた。最終局も悔いのないよう臨みたい」と意気込んでいます。一方、芝野十段は「右辺が大きくまとまればと思っていたが、あまり打ち方が見えず形勢が苦しかった」と振り返っています。

最終第5局は30日、東京都千代田区の日本棋院東京本院で行われる予定です。